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光造形方式3Dプリンターの実用品化が難しい理由

3Dプリント

3Dプリンターは感光性樹脂を使用した方式から始まりました。この樹脂は元々新聞の印刷に使用されるインクであり、これを積層することで立体の造形物を作る技術が最初に開発されました。

現在でも、感光性樹脂を使った3Dプリンターは多く存在しており、その高い精度、滑らかな表面仕上げ、そして速い造形スピードが特徴です。

しかしながら、この方式で作られた造形物は物性が低く脆いため、実用品としては不向きです。そのため、確認用の試作や模型といった機能しない造形物には適していますが、最終製品として使用するには適していません。

この問題の根底には、感光性樹脂の強度不足が挙げられます。強度の高い樹脂は高分子ですが、高分子の樹脂は粘度が非常に高いため、光造形方式の3Dプリントには適しません。

粘度を下げるためには低分子の樹脂を使用せざるを得ず、結果として強度が不足するのです。高粘度な樹脂を使用すると精度が低下するため、高精度を求める光造形方式では使用できないという工法上のジレンマが存在します。

このため、現在に至るまで感光性樹脂の強度不足の問題は解決されておらず、実用品として使用することが難しい状況が続いています。仮にこの問題が解決されれば、世界中の3Dプリンターは光造形方式が主流になるでしょう。